INTERVIEW商工組合中央金庫様
「変わらない使命のために変わり続ける」のスローガンを胸に、中小企業の皆さまの総合支援パートナーを目指す商工中金様
戦略と財務の両軸で企業様を支援する人材の育成に向けて、Business Management Game研修(以下、BMG研修)を開催いたしました。
中嶌様、橋本様、坂本様
研修の目的について
BMG研修を導入した背景を教えて頂けますか?
弊社では社員の能力開発を目的に、年間を通じて様々な研修を実施しています。
私自身がスコレ様の提供するBusiness Management Gameを2022年に体験し、経営層の方々と接する機会の多い商工中金の社員にとって、経営者の目線で企業経営を実践するBMG研修は効果的な学びを得られると感じ、導入を社内に提案することを考えました。
弊社のパーパス「企業の未来を支えていく。日本を変化につよくする。」を実現するためには、より事業を深く理解し、戦略と財務の両軸で企業様を支援できる人材が必要で、そのためにも座学の研修だけでなく実践的な学びの場が重要だと感じたんですよね。
具体的にどんな学びを期待されていましたか?
大きく二点あります。一点目は、事業を構成する要因を理解し、意思決定の複雑さと経営者の目線を体験することです。
経営は社内外の環境や組織の状態によって大きく左右されます。経営に影響を与える要因を理解し、全社目線で意思決定と改善を繰り返していくことの重要さと面白さ、そして難しさを味わって欲しいと考えていました。
二点目は、リーダーシップとチームビルディングです。BMG研修はチームで役割分担をしながら業績を高めることを目指すため、リーダーシップを発揮してチームでの成果を最大化することが重要です。
今回は社内のビジネスコンテスト参加者も多かったのですが、彼らがお互いを深く理解し、共通言語を持つことが、コンペに取り組むにあたっても有効だと確信していました。
BMG研修で得られたこと
研修を通じて学びや気付きは得られましたか?
最初に話を伺ったときは、財務分析やロジカルシンキングを身につける研修なのかなと思ったのですが、実際に参加してみると全く異なっていて、可能なら弊社の全社員に受けてほしいと思うほど、学びが得られた研修でした。
特に、企業経営における意思決定の複雑さやリーダーシップについて考えさせられるシーンが多かったですね。私たちの仕事柄、全国の事業者の方々とお仕事をさせて頂く機会が多いのですが、これまでいかに自分が限られた目線でビジネスを捉えていたのかを痛感させられました。
私は他の参加者と比べて商工中金での経験が浅かったため、研修へ参加することに不安な気持ちもありました。
ただ、実際に始まってみると、チームメンバーがお互いに助け合って、専門知識を共有しあい、業績を競い合っていくことに夢中になっていましたね。
どうすれば自社の利益を最大化できるのか、事業運営と投資を両立するためのキャッシュフロー管理、製品開発と販売マネジメントなど、部門を横断した大局的な視点の重要性を実感しました。
たしかに、大局的な視点や、意思決定の時間軸など、未来を見据えた戦略構築の重要さはそうですよね。
金融の仕事をしている特性上、どうしても在庫リスクや資金ショートを怖がってしまっていたのですが、いざ経営がはじまると受注に対して在庫が足りなく失注したり、急いで製品を作るために工場を建設したら今度は競合のシェアが拡大して不良在庫を抱えてしまったり…と、市場や競合の動向に振り回されていたんです。
自分たちの経営が場当たり的になってしまっていて、企業が掲げるゴールを実現するために何を優先するのか?将来を予測してどんな打ち手を仕込んでいくのか?などを限られた情報と時間で決めていくことの大切さと難しさを身を持って学びました。
私たちは序盤で資金繰りに失敗してしまい、あわや倒産の危機、という所まできてしまったのですが、事業を構成する一つ一つの決断が企業の財務状況に大きく影響を与えるということをリアルに感じました。
その状態からどうやって経営を立て直していくのか?という議論を通じて、チームの一体感が醸成されたと思います。
研修後の業務で具体的な変化はありましたか?
私自身は、翌日から研修で得た学びを活かすことができています(笑)。
先ほど、リーダーシップについて触れましたが、事業や組織を未来へ引っ張っていくためには、共通のビジョンや目標を掲げ、メンバーの役割を明確にし、限られた情報をもとにリーダーが素早く意思決定を繰り返していくことが大切ですよね。
改めてその重要さに気付かされ、ビジネスコンテストでもリーダーとして目指すべき方向性を定義し、議論することで、チームの行動量や具体性が増し、アウトプットの質が大きく向上しました。
未来から逆算したプランニング、戦略と財務の両立などを実体験し、自分ごと化するための振り返りを挟んだことによって、普段の業務の質を高めることに直結できていると感じます。
おぉ、それは素晴らしいですね。
坂本さんはどうだった?
一部ではありますが経営者の皆さまの視点を体験し、経営に対する解像度が高まったことで、これまで以上に具体的、かつ俯瞰的に業務へ取り組むことができると感じます。
経営者の皆さまが戦略、オペレーション、マーケティング、アカウンティング、ファイナンスなど、こんなにも幅広い領域をまとめながら、市場や競合の動向を見据えて、経営を左右する難しい意思決定を繰り返していることを知り、頭が上がらないなと思いました。
BMG研修を実施してみて
研修に期待していた結果は得られましたか?
はい、私が期待していた、意思決定の複雑さと経営者の目線を体験すること、リーダーシップとチームビルディングの醸成は、お二人のお話を聞いていて、想定以上に効果があったと感じています。
なんとなく学んでよかった、で終わってしまう研修も多いなか、実際に行動変容に繋がっており、素晴らしいですよね。
「経営の難しさを肌で感じ、これまで我々は本当に経営者の皆さまに寄り添えていたのだろうか?と、強く考えさせられました。」といった声もあり、企画した身としては開催して本当に良かったです。
営業の担当者が対話型の渉外活動に転換するきっかけとなる、素晴らしい場となりました。
どのような企業様にBMG研修をオススメできますか?
①経営目線が求められるミドルレイヤーの養成、②若手・中堅社員向けの戦略思考と財務思考構築、③組織を横断したリーダーシップやチームビルディングなど、参加者の属性や経験に応じて幅広い目的で導入が可能だと思います。
私たちは若手・中堅職員向けに実施しましたが、金融機関の職員は財務の基本知識も有しているため非常に相性が良いのでは無いでしょうか。財務の観点だけではなく、企業経営を支援するために包括的な対話が可能な人材を育成することは、我々にとっては非常に重要なポイントの一つですよね。
また、今回はオンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッドでの開催でしたが、どちらも満足度が大きく変わらなかったのは少し驚きました。オフラインのほうが議論はしやすいかもな、と思いましたが。
スコレ様の提供するBusiness Management Gameを体験し、リーダーとしての思考を実体験することで、未来の事業価値創出につながることは間違いないです。ぜひ多くの企業様で、事業を牽引する経営人材の輩出が進むことを願っています。
中嶌様、橋本様、坂本様、素晴らしいインタビューをありがとうございました。